1970年代のロック好きな方なら、誰もが知っていると思われる、ディープ・パープルの名曲「Burn(バーン)」。
日本でもタマホームのCMで替え歌バージョンが使われたので、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
UKシングルチャートでは45位どまりだったにもかかわらず、今でもハードロックの代名詞として多くのファンから愛されている楽曲です。
この記事では、バーンの魅力や概要について考察します!
第三期ディープ・パープルの名曲「Burn(バーン)」の概要
まずは、曲のおおまかな概要から見ていきましょう。
発表:1974年
作詞・作曲:リッチー・ブラックモア / デイヴィッド・カヴァデール / ジョン・ロード / イアン・ペイス
収録アルバム:「Burn(バーン)」(邦題:紫の炎)、1曲目
バーンは、同名のアルバムからシングルカットされた楽曲。
ディープ・パープルは度重なるメンバーチェンジにより、1976年に解散するまでの期間は主に第1期から第4期に分けられます。
バーンが発表されたのは第3期にあたり、バンド解散の危機にあったディープ・パープルの起死回生のきっかけとなった曲です。
バンドの変遷について知りたい方は、以下をご参照ください。
第1期(1968年結成〜1969年)ジョン・ロード(キーボード)、リッチーブラックモア(ギター)の2人を中心に結成。当初はサイケやプログレ色が濃い音楽性でした。
ファースト・アルバムからのシングル曲「Hush(ハッシュ)」が、ビルボードチャート4位と大ヒット。
第2期(1969年〜1973年)黄金期と言われる人気の高い時期。
代表曲の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」や「ハイウェイ・スター」が誕生するなどし、ハードロック色を強めます。
- ジョン・ロード(キーボード)
- リッチー・ブラックモア(ギター)
- イアン・ペイス(ドラム)
- ロジャー・グローヴァー ( ベース)
- イアン・ギラン(ボーカル)
第3期(1973年〜1975年)黄金期を支えたボーカルのイアンと、ベースのロジャーが脱退し、バンドは存続の危機に。
その後、無名だったデヴィッド・カヴァーディルと、他のバンドからの引き抜きでグレン・ヒューズが加入。名盤「Burn(バーン)」が録音されました。
- ジョン・ロード(キーボード)
- リッチー・ブラックモア(ギター)
- イアン・ペイス(ドラム)
- グレン・ヒューズ ( ベース・ボーカル・コーラス)
- デヴィッド・カヴァーディル(ボーカル)
第4期(1975年〜1976年)ギターのリッチーが脱退を表明。新ギタリストにトミー・ボーリンを迎えて活動を継続するも、1976年に事実上の解散となりました。
名曲「Burn(バーン)」の魅力とは?
ファンからは、ハードロックの代名詞ともよばれるバーン。その魅力を具体的に考察していきます。
スピーディーで切れ味のよいギターリフ
当時リッチー・ブラックモアは、レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジと肩を並べる英国ハードロック界の絶対的ギターヒーローでした。
そんなリッチーによる、疾走感あふれる切れ味のよいキメのギターリフが、この曲の最大の特徴です。
スネアロールで楽曲をリードするドラム
この曲の特徴は、ギターリフだけではありません。
イアン・ペイスによる強烈なドラムも、楽曲の個性を引き立たせている大きな要素です。
ビートを刻む代わりにスネアロールを刻むという、まるで全編ドラムソロのような、すさまじく印象的なドラミングで演奏を力強く引っ張っています。
クラシカルなキーボードとギターソロ
楽曲を印象づけているのが、間奏のギターとオルガンのクラシカルなソロ。
ギターのリッチーは、幼少時代からクラッシック音楽に親しみ、クラシックギターを学んでいます。
また下積み時代にはジャズギターを練習するなど、あらゆるジャンルの知識がありました。
この曲の間奏部分では「Gm-Cm-F-B♭-E♭-Cm-D7」というバッハのコード進行を引用し、クラシカルな要素を取り入れています。
グレンとデイヴィッドによるツインボーカル
第3期ディープ・パープルのもうひとつの特徴が、ベースのグレンとボーカルのデイヴィッドによるツインボーカル。
バーンでは、サビ前のフレーズはグレンが歌い、サビでは二人の素晴らしいロングトーンのハーモニーが聴けます。
シンプルで分かりやすいタイトルとサビ
タイトルの「Burn!」をシャウトするサビ部分は、とてもシンプルでわかりやすく耳に残りやすいですよね。
これも、バーンが世界中のファンから愛される要因のひとつだといえます。
特に日本ではディープ・パープルの人気が高く、来日時には「ビートルズ並みの扱いを受けた」と、メンバーも話しているほどです。
ハードロックの魅力が凝縮された楽曲
※ハードロックを特徴づけるのは、印象的なギターリフ、ハイトーンのボーカル、ギターに劣らない迫力満点なベースリフやうなるキーボード、手数が多くテクニカルなドラムなど......
他にも、最近の曲にはあまりみられない、長いギターソロも特徴としてあげられます。
また歌詞に注目してみると「炎を操り人間に復讐する魔女」が題材となっており、中世の世界観を取り入れるハードロックの様式美が詰めこまれた内容です。
これらの要素が6分間にギュッと凝縮されているのも、バーンがハードロックの代名詞と言われるゆえんでしょう。
※ハードロック…1960年代後半に、イギリスを中心にもてはやされたホワイトブルースが発展した形の音楽だといわれています。
さまざまなバンドに愛される「Burn」
「Burn」は、さまざまなロックバンドにカバーされています。なかでも有名なのが「Mr Big」。
リッチー・コッツェンのギターソロや、ビリー・シーンのベースソロに度肝を抜かれた人は少なくないはず。
アルバム「Burn」を通して聴こう!
ロックファンのなかでも愛され続ける名曲「Burn」。
収録アルバムの「Burn(バーン)」を聴けば、ディープ・パープルの音楽性の幅広さに驚かされるかもしれません。
気になった方は、ぜひアルバムを通して聴いてみてはいかがでしょうか。