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「スティーヴ・ガッドの4つの凄さ」と必聴の名盤3選を紹介

2022年12月8日

1970年代から現在に至るまで、多くのドラマーから神と讃えられるスティーブ・ガッド

凄いドラマーだとは知っているけど「具体的に何が凄いの?」と疑問をお持ちの方も多いかと思います。

そこでこの記事では、スティーヴ・ガッドの凄さのポイント4つと、必聴の名盤3選を紹介します!

1分で読めるスティーヴ・ガッドのプロフィール

Steve Gadd: Cissy Strut (The Studio Band Of The US Army Field Band, around 1970)

まずは、簡単なプロフィールから。
すでに知っている方は、読み飛ばしてください。

プロフィール

・1945年 ニューヨーク州ロチェスター生まれ。

・元軍楽隊のドラマーであった叔父の影響で、7歳からドラムを習いはじめる。

・小学生の頃はマーチング・バンドで腕をみがいた。

・マンハッタン音楽学校とイーストマン音楽院で本格的に音楽を学ぶ。

・軍の楽隊で3年間演奏したのち、1971年からニューヨークを拠点にスタジオミュージシャンとして本格的なキャリアを開始。

・チック・コリアやポール・サイモン、ジェイムス・テイラー、エリック・クラプトンといった世界的なアーティストのサポートを数多く務める。

・また、自身のバンドであるスティーヴ・ガッドバンドでも活躍中。

スティーヴ・ガッドの4つの凄さ

提供元:Unsplash+

ドラムの神と呼ばれるスティーヴ・ガッドの凄さを、以下4つのポイントに着目して解説します。

・パラディドル
・グルーヴ感
・ジャンルレスなプレイスタイル
・50年間、第一線で活躍

凄さその1:パラディドルを後世に広めた

パラディドルとは、左右の手で交互にたたく「パラ」と、同じ手で2回たたく「ディドル」が組み合わさった奏法のことをいいます。

例えば
RLRR LRLLなど( R=右 L=左)など、ドラムのルーディメンツ(打楽器の演奏で使える基本のフレーズ)の一つです。

ガッドは、マーチングバンドや軍楽隊で鍛えたルーディメンツを自身のドラミングにも組み入れ、独自の奏法を編み出しました。

パラディドルを叩くドラマーは他にもたくさんいますが、彼のパラディドルはとにかく正確で、音の粒がきれいに揃っているのが特徴です。

その美しさから、世界中のドラマーがこぞってお手本にしています。
やがて「スティーヴ・ガッドのパラディドル」とまで呼ばれるようになりました。

オガミ キヨ
オガミ キヨ
ガッドのパラディドルが聴ける2曲を聴いてみましょう♪

ポール・サイモン「50 Ways To Leave Your Lover」(1975)

有名なイントロ部分から、パラディドルが使われています。

チック・コリア「Leprechaun’s dream」 (1976)

ソロバッキングの後半が、パラディドル奏法です。

凄さその2:圧倒的なグルーヴ感

スティーヴ・ガッドのドラミングは、手数の多さや音の大きさといった派手さはありません。にもかかわらず、すさまじいグルーヴ感があります。

むしろシンプルなリズムほどグルーヴ感を出すのが難しいのですが、彼のドラミングは小さな音からでもグルーヴが伝わってきます。

それが分かる名演を見ていきましょう。

スティーヴ・ガッドバンド「Way Back Home」 (1986)

バスドラで細かいゴースト・ノート(隠し味のようにごく小さな音でリズムの隙間に差し挟むショット)を踏みグルーヴを生み出しています。

ガッドは、もともとタップダンスが得意で、その技術をドラムのフットワークにも応用しているそうです。

リー・リトナー「Feel THe Night」(1979)

スティーヴ・ガッドはリズムのノリをわずかに後ろにずらし、絶妙なタメを作ってグルーヴさせるドラミングが得意です。

こちらの曲でもその素晴らしいタイム感を持つドラムプレイが聴けます。

リッキー・リー・ジョーンズ「Chuck E's in Love」(1979)

印象的なイントロでは、ハイハットで小さく裏のリズムをキープし独特なグルーヴ感を出しています。

Dave Weckl, Vinnie Colaiuta, Steve Gadd - Buddy Rich: drums

この動画では、実際のドラミングがよく分かります。
ガッドのドラムソロでは、ゴースト・ノートや粒の揃ったフレーズなど細かい技術が映し出されています。

凄さその3:ジャンルを超えた幅広いプレイスタイル

どんなジャンルにも瞬時に対応できる幅広いプレイスタイルも、スティーヴ・ガッドの凄さの一つ。

スティーヴ・ガッドの凄さは、ジャズやフュージョンはもちろんのこと、ロックやヒップホップ、ブルースなどあらゆるジャンルをこなすところ。

彼のドラミングは、正確で楽曲を通してバランスを取る感覚がバツグン。
あらゆるジャンルのアーティストが共演を熱望する理由だといえるでしょう。

スティーリー・ダン「Aja」(1977)

スティーリー・ダンの「Aja」では、8分もの長尺の曲を、初見のワンテイクで録り終えたといいます。
まさに、超越した対応力の高さを物語るエピソードですね。

チック・コリア「Dear Alice」(1976)

この曲のソロで聴けるのが、ガッドのトレードマークともいわれる「モザンビーケ」というリズムパターン。
モザンビーケというのは、キューバ発祥のカーニバル音楽に使われるリズムです。

ポール・サイモン「Late In The Evening」(1980年)

スティックの音を効果的に使い、画期的なアフロビートを刻んでいます。

エリック・クラプトン「Pilgrim」(1998年)

ブルース・ロックのバッキングでも、タイトなドラミングで曲全体を引き締めバランスを取っています

凄さその4:50年もの間、第一線で活躍し続けるドラムの神

1970年初頭から、本格的にセッションミュージシャンとして活躍していたスティーブ・ガッド。

かれこれ50年もの間、第一線でドラマーとして活躍し、現在も精力的に音楽活動を続けています。

それだけでも凄いのですが、2018年発表の「Steve Gadd Band」がグラミー賞のベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞するなど、アーティストとして進化し続けているのです。

インタビューでは「一緒に演奏する後輩ミュージシャン達からインスピレーションを得て、今でも高いモチベーションで演奏できている」と話していました。

近年の演奏では、若い頃のような速さのあるプレイスタイルから無駄を削ぎ落とし、円熟味を増したドラミングが見られます。

凄さが分かる必聴の名盤3選

提供元:Unsplash+

スティーヴ・ガッドの数ある名演の中から、最低限これだけは押さえておきたいアルバム3枚をご紹介します。

スタッフ「Stuff」(1976)

スタジオミュージシャンで結成された、伝説のフュージョンバンドです。全編に渡り、ガッドのグルーヴィーなプレイが聴けます。

チック・コリア「Friends」(1978)

チック・コリアとスティーヴ・ガッドは、70年代からたびたび共演し多くの名盤を残しています。

その中からアグレッシブなドラミングが聴ける「Samba Song」をお聴きください。

ザ・ガッド・ギャング「The Gadd Gang」(1986年)

スティーヴ・ガッドがリーダーを務めるバンドのデビューアルバムです。Stuffのメンバーを中心に結成されました。

フュージョンやラテン、ブルースなどジャンルの垣根を超えたガッドの幅広いプレイスタイルを確認できます。

Way Back Home」は、力強く心地のよいレイドバックとテクニックが凝縮されたドラムソロが聴ける、人気曲です。

スティーヴ・ガッドの名演は他にもいっぱい

ここでご紹介したもの以外にも、ガッドの名演が聴けるアルバムは数多くあります。

ドラムの神の超絶プレイをもっと堪能したい方は、ぜひ他のアルバムも聴いてみてください!

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オガミ キヨ

「◆提携ライター」 音楽、美容・健康、EC、リユース他、多ジャンルのメディアで執筆中のWEBライター。ギター歴20年。レコード収集と純喫茶めぐりが趣味の一児の母です。