Webライターとして仕事をしている方は、専業であっても副業であっても、一定以上の所得がある場合は確定申告が必要です。しかし、源泉徴収や青色申告、白色申告など、特に初めての確定申告は不安に感じる方が多いのではないでしょうか?
また、副業でWebライターをしている場合、正しい対処法を知らないと副業が会社に知られてしまいます。この記事では、Webライターが確定申告するときの手順や注意点について詳しく解説。ぜひ参考にしてください。
確定申告と源泉徴収についての基礎知識
【確定申告とは?ゼロから解説】全くわからない初心者の方に確定申告の基礎知識を完全解説 確定申告必要?不要?した方が得? by 女性税理士
会社員やアルバイトの場合、会社側が年末調整で納税の手続きをしてくれますが、個人のWebライターは自分で確定申告しなければなりません。まずは、確定申告や源泉徴収についての基礎知識を押さえておきましょう。
確定申告が必要なWebライターとは
Webライターのうち、確定申告が必要なケースは下記の通りです。
注意点 専業:年間※所得が※48万円を超える 副業:年間所得が20万円を超える
基本的に専業ライターは「事業所得」、副業ライターは「雑所得」として扱われます。ただし副業であっても、規模が大きくなると「事業」とみなされるケースもあります。
事業所得は、青色申告が可能なので節税などのメリットを受けられますが、雑所得は青色申告が適用されません。詳しくは次の項目で解説します。
※所得とは……収入 - 必要経費 = 所得となります。
※48万円とは……確定申告による基礎控除額
青色申告と白色申告について
【2021年版】青色申告・白色申告を解説!e-tax(電子申告)限定の節税効果も紹介!
専業・副業いずれの場合でも、青色申告か白色申告のどちらかを選択し確定申告する必要があります。
青色申告の特徴
青色申告は複式簿記での記帳など手間はかかるものの、その分多くのメリットがあります。Webライターとして本腰を入れていくなら、青色申告がおすすめです。
白色申告の特徴
青色申告に比べて作業の負担が少ない白色申告ですが、税金面での優遇は期待できません。副業ライターや、専業でまだ収入が少ないライターは、誰でも利用可能な白色申告を選ぶケースが多く見られます。
発注者側が源泉徴収義務者であるかどうかもチェック
Webライターの報酬となる「原稿料」は源泉徴収の対象です。ただし発注者によって、源泉徴収義務者であるかどうかが変わります。
ポイント 法人、もしくは従業員を雇用している個人事業主→源泉徴収義務者 個人事業主→源泉徴収義務者にあたらない(常時2人以下の家事使用人を雇用している場合も義務なし)
発注者が源泉徴収義務者の場合は、発注者側が原稿料から税金を徴収して納付が原則。一方で、発注者が源泉徴収義務者でない場合は、原稿料を受け取ったライターが自分で確定申告を行う必要があります。
Webライターの確定申告の手順
https://youtu.be/SCp_YlBgjL4
【確定申告って何をしてるの?】全体の流れと基本を知って確定申告をスムーズにしよう!
ここからは、確定申告の準備から提出するまでの手順を解説します。
①確定申告の準備
下記の必要書類を準備します。
メモ
申告書や添付書類台紙は国税庁ホームページからダウンロードできるほか、税務署でも用意されています。
②確定申告書を作成
確定申告に必要なものが準備できたら、申告書を作成します。主な作成方法は下記の2種類です。
(1)国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用する
「国税庁 確定申告書等作成コーナー」へアクセスし、画面の案内に沿って必要事項を入力していく方法です。作成した申告書等は「e-Tax」で送信したり、印刷して郵送で提出できます。
e-Tax とは 所得税や消費税など、各種納税の手続きをインターネットで行うシステムです。「e-Tax」を利用すれば自宅にいながら確定申告が完了でき、また添付書類の提出を省けます。ただし利用するためには、下記の事前準備が必要です。
すでにマイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータル(政府運営のオンラインサービス)の活用が便利です。連携することで確定申告に必要な情報を一括で取得し、申告書類へ自動入力できます。
(2)会計ソフトを使う
会計ソフトで日々の帳簿付けを行えば、確定申告に必要な書類を自動で作成してくれます。各種帳票のフォーマットが備わっており、複式簿記に不慣れでも作業しやすいでしょう。
無料版と有料版がありますが、無料版は機能制限があったり、サポートが受けられなかったりします。まずは無料のトライアル期間で試してみて、自分に合っていたら有料版に切り替えるのがおすすめです。
【まだ手書き?】確定申告3つの手段を徹底比較!最適はどれだ【2021年最新版】
おすすめの会計ソフト
③確定申告書を提出
確定申告書を作成したら、税務署の窓口へ持参か郵送、もしくは「e-Tax」の電子申請で提出します。確定申告は原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に行わなければなりません。もし期限に間に合わなかった場合、延滞税などのペナルティが課される可能性がありますので早めに準備しておきましょう。
Webライターが確定申告で注意したいポイント
【令和4年】知っておこう!今年の確定申告の注意点!
Webライターが確定申告するとき、特に副業の方は気を付けたいポイントがあります。ここでしっかり押さえておきましょう。
会社に副業を知られたくない場合の対処法
副業WEBライターが確定申告で会社にバレない方法とは!?
副業でWebライターをしていて会社に知られたくない方は、確定申告時に住民税の項目の「自分で納付」を選択してください。これにより住民税の納付書が自宅に届くので、副業分の住民税を自分で納付できます。
もう一方の項目である「特別徴収」を選択すると、給与から住民税が天引きされ会社に副業が知られてしまうので、ご注意ください。
領収書を整理して保管する
【完全版】経費で落とすとき”領収書とレシート”どっちがいいの?を税理士が解説!【確定申告】
確定申告で計上した経費は、金額の根拠となる領収書等の書類が必要です。Webライターの業務に関する支払いがあった場合は、宛名・金額・日付等が記載された領収書をしっかり保管しておいてください。
もし保管期間中に税務調査などで書類提出を求められたら、速やかに応じる必要があります。そのため、領収書を月ごとにまとめるなど、分かりやすく整理しておくといいでしょう。
分からないことは専門家に相談しよう
自分で確定申告するのが難しい部分があったり、Webライターの仕事が忙しかったりする方は、税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。費用はかかるものの、帳簿や申告書作成の手間が省けるだけでなく、節税に関するアドバイスなどももらえます。
また会計ソフトを使って確定申告を進めたいという方も、今のうちに無料で試してみるなど、できるだけ早めに準備を進めましょう。
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