元ビートルズのベーシスト、ポール・マッカートニーの貴重なインタビューを収めたドキュメンタリー・シリーズ「マッカートニー3,2,1」。
まだ視聴されていない方のために、概要と見どころをかいつまんでご紹介します。
「マッカートニー3,2,1」の概要
「マッカートニー3,2,1」|予告編|Disney+ (ディズニープラス)
出演・製作総指揮:ポール・マッカートニー、リック・ルービン
監督:ザッカリー・ハインザーリング(『キューティー&ボクサー』)
「マッカートニー3,2,1」とは、言わずと知れた元ビートルズのベーシストであるポール・マッカートニーの、これまでの音楽人生を振り返るドキュメンタリーです。2021年7月にアメリカHuluより、1話約30分で計6話にわたり配信されました。
本作は音楽界の大物プロデューサー、リック・ルービンとのインタビューで構成され、二人の自然な会話形式で進みます。内容は、ほぼビートルズに関するもので、一部ソロとウィングス時代にも触れています。
リック・ルービンとは「Beastie Boys」「Adele」「Red Hot Chili Peppers」「The Strokes」など、数々のアーティストのヒット作をプロデュースした伝説のプロデューサー。彼が担当した作品のうち8作品がグラミー賞を受賞するなど、輝かしい業績を収めています。
ポールは人と音楽の話をするのが好きだといい、とりわけあらゆる音楽ジャンルの知識を網羅しているリックに心を許している様子が映像からも見てとれます。
二人の自然な会話をそのまま撮影しているので話はあちこちに飛びますが、かえってリアルさが浮き彫りになり、ファンにとっては貴重な映像です。
「マッカートニー3,2,1」の視聴方法
「マッカートニー3,2,1」は2021年12月22日より、日本版としてディズニープラスで独占配信されています。
ディズニープラスには現在無料期間が設けられていません。本作品だけを観たい場合でも、いったん入会手続きが必要です。
入会後はいつでも解約が可能ですが、1カ月分の料金は支払い後、解約しても返金されません。そのため、もしすぐに解約をお考えの場合でも、他に観たい映画を観てから期間が切れる直前に解約するのがオススメです。
「ザ・ビートルズ:Get Back」|予告編|Disney+ (ディズニープラス)
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』予告映像
「マッカートニー3,2,1」はどんな人におすすめ?
Band On The Run
本作は、長年のポールやビートルズファンなら既知のエピソードも多いかと思いますが、本人の口からより細かい内容が語られるので、新たな発見があります。
そのほか、以下のような人にもぜひ観ていただきたいです。
1)「ザ・ビートルズ:Get Back」(同じくディズニープラスで独占配信中)を観て、ビートルズについてもっと知りたくなった新たなファン
2)作詞・作曲を手掛ける全ての人
現在のようにスマホですぐに録音ができなかった時代、自分の頭から出たメロディーやコード進行を記憶だけを頼りに曲にしていく過程は、作曲の原点でもあります。特に2)の方々にとって、その辺りのエピソードは興味深い内容だといえるでしょう。
「マッカートニー3,2,1」の見どころ
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise / Remastered 2009)
ポール本人が語るビートルズメンバーとのエピソード
本作品ではポール自身がビートルズの各メンバーとの出会いやエピソードについて、とても思い出深げで好意的に発言しています。
例えば、ドラムのリンゴ・スターの演奏を初めて観た時、ハイハットをあんな風にたたけるドラマーはいないと思ったと言い「(リンゴが)バンドに入るとみんなが成長できた」と話しています。
またギターのジョージ・ハリスンについては、「はじめは作曲に興味がなかったのに、良い曲を書くようになった」とも。
そして作品後半、生前のジョン・レノンがポールの才能について最大の賛辞を送った発言をリックが読み上げます。それを聞いたポールが「初耳だ」と静かに喜ぶシーンは、ジョンとポールの関係性を如実に表していて、とても感慨深いです。
名曲誕生までの詳しい過程
本作中で登場する楽曲については、以下「Spotify」で配信されている内容をご参照ください。
ポールは、それぞれの曲に物語があり全て明確に覚えているといい、楽曲が誕生した細かい経緯やサウンドの秘密を語っています。
またリックがプロデューサー独自の目線で、ポール本人さえ気づいていなかった、曲の新たな魅力をひも解いていくのも見どころのひとつです。
ビートルズ以外のアーティストのとのエピソード
ビートルズが活動した1960年代、当時のアーティストは仲間意識があり互いに影響を与え合っていたとポールは言います。
例えば、ポールがビーチボーイズのアルバム「ペット・サウンズ」から影響を受けて作ったのが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」だというエピソードは有名です。
他にも、キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」を当時の新しいサウンドだったと評したり、一緒にツアーに出たロイ・オービソンからは曲作りの秘訣を学んだと話すなど、たくさんのアーティストへの尊敬の意が当時の貴重映像とともに語られます。
これらのエピソードをポール本人の口から聞けるのも、音楽ファンにとっては貴重だと感じるのではないでしょうか。
さいごに
1942年6月18日生まれのポール・マッカートニー。本作中では楽曲を聴きながらテンションが上がり思わず飛び上がるシーンなど、いつまでもバンド少年のままのお茶目な彼の貴重映像が満載です。
新旧ファンともに楽しめる内容なので、全ての音楽ファンにおすすめします。