ロックギターを語るうえで外せない伝説のギタリスト「エドワード・ヴァン・ヘイレン」。
「ヴァン・ヘイレンって名前は聞いたことあるけど、何がどう凄いのか……」
この記事では、ロックギター界で語り継がれるヴァン・ヘイレンの凄さや魅力、使用ギターを解説します。
エドワード・ヴァン・ヘイレンとは?
Van Halen - Jump (Official Music Video)
エドワード・ヴァン・ヘイレン(以下、通称エディ)は、1955年生まれのミュージシャン。
アメリカのハードロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のギターとキーボードを担当しました。
ロックギター界に多大な影響を与え、数多くの伝説をつくったことでも有名な人物です。
残念ながら、2020年に65歳で亡くなり故人となってしまいました。
エディの使用ギター
Van Halen「Eruption」Guitar Solo
「機材にお金をかけないと、良い音が出ないなんてナンセンス!」
そう言うエディが使うギターは、Boogie Bodies(現在のWarmoth)の材を使った「フランケンシュタイン」です。
良い音とお金は別の問題と言い切ったエディは、命を吹き込むように自らギターを組み立てます。
「フランケンシュタイン」ってどんなギター?
エディは、まずフェンダーライセンスド工場からストラトキャスターの未塗装状態のボディとネックを200ドルで購入。
これに、ギブソン社製ES-335のハムバッキング・ピックアップやセイモア・ダンカン社製のピックアップを取り付け、自らバイク用の塗料でペイントしました。
仕上がったギターは「フランケンシュタイン」と命名。
フロイド・ローズ(以下画像)を搭載し、さまざまなパーツを付け加えるなど、エディはこだわり尽くします。
「ブラウンサウンド」って何?
エディのギターサウンドは「ブラウンサウンド」といわれます。
ブラウンサウンドとは、エディが弾くギターサウンドという意味を持つ一方で「歪みのなかにも、暖かさや乾きを感じるハイゲインのギターサウンド」といったニュアンスも。
決して歪ませ過ぎず、エディの温もりも感じられる独特の音色です。
エディとフランケンシュタインが与えた影響
1980年代にはハムバッカー、1ボリューム、フロイド・ローズというスタイルがロックギターに定着します。
それは、エディのギタープレイがあまりにもカッコ良く、ギターキッズに影響を与えたため。
エディが23歳の1978年に、バンド「ヴァン・ヘイレン」からデビューアルバム「炎の導火線(VAN・HALEN)」をリリース。これが瞬く間に150万枚のセールスを記録し大人気となります。
Van Halen / 炎の導火線 full album (debut album 1978)
このアルバムは「ロックギターの世界を変えた」と言っても過言ではありません。
1983年にはアルバム「1984」をリリース。このアルバムは、全米で1,000万枚以上を売り上げる記録を叩き出し人気アーティストの地位を確立させました。
Van Halen - 1984(Full Album)
エディの魅力とは?
エディのギターは、テクニックはもちろんフレーズが見事で美しく、今でも人々を惹きつけてやまないアーティストです。
ここでは、エディの魅力を大きく3つに分けて解説します。
「テクニカルなロックギター」の世界観を創造した
Van Halen「Eruption」 (2015 Remaster)
ロックギターを練習した方なら、恐らく一度は練習する「タッピング(ライトハンド奏法)」。
テクニカルなロックギターという方向性には外せない奏法です。
このタッピングを、ここまで有名にしたのもエディ。
エディのタッピングを骨まで堪能したい方は、ぜひ「Eruption」を爆音でお聴きください!
「愛されるハードロック」
多くのハードロックギタリストは、ギターソロを弾いている時に凄く痛そうな顔をします。
もちろん、それはそれで凄く格好良く見えるのも事実。
一方で、エディは格別の笑顔で楽しそうにギターソロを弾きます。
その姿からエディについた異名が「笑顔のギタリスト」でした。
エディがデビューした当時、どこかとっつきにくさがあったハードロックというジャンル。
そんな中、エディの笑顔とハードロックを感じさせながらもキャッチーなサウンドで一世風靡したのです。
「ハードロックとシンセサイザー」の楽曲の可能性を広げた
エディはギタースタイルだけではなく、のちの楽曲にも影響を与えます。
今でこそオーソドックスな存在となっているシンセサイザーの存在感が強いハードロックというジャンル。
こちらもエディによる影響が大きいのは確か。
ヴァン・ヘイレンの代表曲「Jump」は、シンセサイザーの存在が強く感じる曲ですよね。
Jumpがヒットしてから、ハードロックに大胆にシンセサイザーを取り入れた曲が多くなりました。
エディは笑顔のギタリスト
エディはロックギター界に大きな影響を与えたアーティスト。
もし、エディがギターを弾いていなければ、ロックギターはまた違っていたかもしれませんね。
こだわりを詰め込んだギター「フランケンシュタイン」を生み出し「ブラウンサウンド」をつくり出したエディ。
音楽やギタープレイに対する想いは並大抵ではありませんが「笑顔のギタリスト」と言われるほど幸福なステージも演出しました。
ぜひ、エディサウンドの凄さを感じ取ってくださいね!