日本では、誰もが何らかの公的保険への加入が義務付けられています。
そこで、重要なのが定年退職後の健康保険。
この記事では定年退職後、健康保険に加入する4つの方法を詳しく解説します。
まず「健康保険」について知ろう
社会保険は、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の総称。
会社で加入する保険を社会保険というのは間違いではありませんが、かなり広い意味になります。
公的医療保険制度の種類は?
冒頭に記載しましたが、日本国内に住んでいる限り、何らかの医療保険制度への加入が必須です。
公的な医療保険制度は3種類あります。
ポイント
・「健康保険」会社を通じて加入する医療保険制度
・「後期高齢者医療制度」75歳以上の方のみ加入可能
・「国民健康保険」上記に該当しない方が加入可能
定年退職後、健康保険に加入する4つの方法とは?
定年退職後、健康保険に加入する4つの方法は以下の通り。
ポイント
- 任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 扶養に入る
- 特例退職被保険者制度を活用する
人それぞれ生活環境が違いますので、どれが良いというのは一概に言えません。
この4つの内容を検討してから、ご自身に合う保険を選んでください。
では、4つの方法とメリット、デメリットとはどんな内容なのでしょうか。さっそく見てみましょう!
「任意継続する」って、どんな方法?
退職前の厚生年金保険に継続して加入できる「任意継続」は、会社員時代と同じ保険内容が必要な方におすすめの方法です。
任意継続のメリット
任意継続は、会社員時代の手厚い保険内容が継続して受けられるのが最大のメリット。
あなたに扶養家族がいる場合、1人分の保険料で家族も保険に加入できます。
任意継続すると、会社員時代と同じ健康診断も受けられますよ。
任意継続のデメリット
大きなデメリットは、任意継続すると保険料が高額になるということではないでしょうか。
会社員時代は、厚生年金保険料の半分が会社負担でしたが任意継続すると保険料の全額がご自身の負担となります。
「国民健康保険に加入する」って、どんな方法?
「国民健康保険」は扶養制度がないというのがネックですね。
それと、保険料が前年度の所得に応じて金額が決まります。
なので、扶養家族がいない方には、おすすめの方法なのです。
定年退職する年の収入が多ければ、1年目の保険料が異常に高く感じることでしょう。
国民健康保険のメリット
国民健康保険は、前年度の所得が低ければ保険料が安くなります。
扶養家族がいない場合、最も保険料を安くできる方法です。
国民健康保険のデメリット
大切な事ですので再度お伝えしますね。
今年度の国民健康保険料は、前年度の所得で金額が決まります。
そのため、1年目の保険料はかなり高額に感じる方が多いのが現実です。
さらに、国民健康保険には扶養制度がないというのも要注意!
前年度の所得や状況によっては「任意継続したほうが良かったかも」となる可能性も……
金額が気になる場合は、お住まいの市役所の国民健康保険を扱っている窓口で「国民健康保険に加入すると月々いくらになるのか」を確認しましょう。
「扶養に入る」って、どんな方法?
定年退職後は、家族の扶養に入る方も多くいらっしゃいます。
あなたに働いているお子様がいたり、同居している家族がフルタイム勤務をしている場合におすすめの方法です。
扶養に入るメリット
厚生年金保険を払っている家族の扶養に入ると、あなたは保険料の負担がゼロに。
さらに、扶養する側の節税対策にもなるため「扶養する側」「される側」どちらもお得な方法です。
同居していなくても、生計を維持している関係を証明できれば扶養家族に認定される場合もあります。
扶養に入るデメリット
扶養してもらう家族と同居していない場合、難しいのが生計を維持している関係の証明。
手続きの困難さで、扶養に入ることを諦めてしまう方も多いようです。
要件を満たして扶養家族となったとしても、年収に制限があるのはデメリットではないでしょうか。
定年退職後も働こうと考えているのでしたら、扶養内に収まるよう金額を計算する必要があります。
「特例退職被保険制度を活用する」って、どんな方法?
特例退職被保険制度を活用すると、会社員時代と同じ保険内容が受けられます。
しかし、特例退職被保険制度がある会社は少数ですので誰もが活用できる制度ではありません。
特例退職被保険制度があるかどうかは、所属していた会社によって異なりますので確認が必要です。
特例退職被保険制度のメリット
任意継続と似てはいるものの、2つの違いがあります。
ポイント
- 追加で保険料を収めなくても良い
- 後期高齢者医療制度が利用できる75歳まで加入可能
保険料を安くしたい場合、状況によっては国民健康保険のほうが安くなることもあります。
そういった場合は「保険内容か」「安い保険料を優先するか」で、ご判断ください。
特例退職被保険制度のデメリット
デメリットは、所属している会社に「特例退職被保険制度」があったとしても加入要件が厳しいということ。
多くの場合、健康保険に加入していた期間が通算20年以上必要となっています。
定年退職後の健康保険は、しっかり検討して加入しよう
定年退職後の健康保険で不明な点は全て調べて確認しましょう。
健康保険料は、決して安くはない金額です。
しっかり検討して、最も適した保険に加入しましょう。