「くずし字と草書の違いってなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
くずし字のことを「草書」といったり、または草書を「くずし字」と表したりする場合がありますね。
「くずし字」と「草書」は同じものだと考えている方も多いでしょう。
実際「くずし字」と「草書」には共通点が多く見られます。
しかし、二つの文字は同じものではありません。
本記事では「くずし字」と「草書」の違いを詳しくお伝えします。
くずし字と草書の違い
くずし字と草書は、どちらも「早く書く」ことを目的として生まれた文字です。
早く書けるように文字をくずしている点では、二つは同じもののように思いますよね。
くずし字と草書のおもな違いは、以下の6点です。
草書を覚えただけでは、くずし字(古文書)が読めるようにはなりません。
古い本が読めるようになったらいいなぁと思っているんですが、どうやって「これはくずし字の『漢字』だな、こっちは変体仮名の『ひらがな』だな」というのを判断しているのでしょうか?また、(活字のように)決まった形の字でないため、こんなん手癖で変わるやん…みたいなのも多いです…
— あこス (@akosu) October 15, 2023
くずし字も草書も「くずした文字」ではありますが、厳密には違うものです。
広い意味では「くずし字のなかに草書も含まれている」と言えるでしょう。
くずし字は明治時代まで広く使われていた
くずし字は、1900年(明治33)まで日本で広く使われていた文字です。
江戸時代には広く一般に普及し、大人から子どもまで誰もがくずし字を読み書きできました。
中国人の大学院生に「読めますか?」と話しかけられ、しばらく話しながら鑑賞。私はくずし字独学勉強中なので、ほんの少しだけ読める程度。彼女は漢字は楷書、行書は読めるが草書はダメとのこと。仮名は知ってるひらがなと全然違う…と。日本の書道はすごいと、それは熱心に見ていた
— あっくん (@ask0723Amida) October 12, 2023
くずし字で書かれた文書は過去の記録、日本の歴史を知る貴重な手がかりです。
くずし字を解読すれば、新しい発見があるかもしれません。
くずし字や草書は「書く」目的の文字、楷書は「読む」ための文字だと筆者は考えています。
「書く」ための文字というのは、くずし字と草書の共通点ではないでしょうか。
草書は漢字の書体の一つ
草書(草書体)は、楷書、行書などと同じ漢字の書体の一つです。
隷書(れいしょ)を早く書くために生れたといわれる草書は、点や画をかなり省略している文字です。
文字ごとに形を覚えなければ、草書を書くことも読むこともできません。
言語化できるものなのだろうけど、草書のなかでも書体は様々あるだろうし(我流のものも含めて)、くずし字を読む能力とは別の、知識・技術がそれなりに必要なのではなかろうか。
— ひよこ@朝廷 (@Kfumi7926) November 15, 2023
書道の世界で基本三書体といわれるのが「楷書・行書・草書」です。
基本三書体のなかで、私たちが日常使っているのは「楷書」と「行書」ではないでしょうか。
「着」と「著」とか、現代では意味が全然違うのに実は同じ字だったみたいなの結構ありますよねー! 草書勉強してるとそういうの結構あって楽しいです
— _℗アヒルファファモファファファモ*7 (@yurisan0yurisan) November 13, 2023
草書を読んだり書いたりするのは難しく、一般的に普及している文字ではありません。
日常で使う人がいなくなってしまった文字という点で「くずし字」と「草書」は似ていますね。
「くずし字」と「草書」の違いを知って学ぼう
「くずし字」と「草書」には共通点もありますが、実は似て非なるものです。
くずし字を読むには「草書」だけでなく「行書」や「変体仮名」の総合的な知識が必要ですよね。
「草書」だけ「変体仮名」だけが読めても、くずし字が読めるようにはなりません。
まずは実践あるのみ!
「くずし字」の形や読み方を丸ごと覚えるところから、楽しく学習していきましょう。