ひとくちに、くずし字と言っても「昔のくずし字」と「現代のくずし字」があります。 今回おすすめするのは、現代のくずし字の習得です。今では文字を書くこと自体が減っています。まして、縦書きに関しては絶滅の危機ですよね。 それでも、現代のくずし字で書かれた手書きの手紙は美しく、もらうと嬉しいものです。 この記事では、昔のくずし字の書き方を紹介しながら、実用的な現代のくずし字の習得方法についても紹介します。
昔のくずし字の書き方「習得のコツ」
平安時代から、さまざまな字体が存在した日本の文字。特にひらがなには多くの種類があり、くずし字もそのなかのひとつです。 昔のくずし字の書き方を習得するには、※変体仮名やくずし字の※母体となる字母と字形の学習が必要となります。昔のくずし字を実際に書けるようになるには、何度も何度も練習を重ねないと書けませんのでかなり厳しいというのが現実ではないでしょうか。
※変体仮名とは……ひらがなの異体字のこと ※字母とは……ひらがな、カタカナのもととなる漢字のこと
ポイント①字母を理解しよう
現在のひらがなは46文字ですが、くずし字の字母は300文字以上もあります。それでも、よく出てくる文字は約150字と言われていますので意外と覚えられるかもしれません。
ポイント②実際に書いてみよう
まずは、見よう見まねで書いてみましょう。短くて書きやすい百人一首をおすすめします。 覚える方法として、よく言われるのが学習した後に書き出す方法です。くずし字も手本となる文字を見ながら書いてみましょう。 慣れてきたら、手本を見ずに文字を強くイメージして書き、後で手本と照らし合わせるという方法も効果的です。 文字は書かないと衰えてきます。どんどん書いて上達を目指してください。 くずし字を書くには辞典が必要です。一冊手元に置いておきましょう。おすすめはこちら。
昔のくずし字の書き方習得への第一歩「YouTube編」
【書道】百人一首に使われる「かな文字」解説します【光琳かるた・六十七番下句】かぜかおる
百人一首の句を実際に筆で書いている動画です。変体仮名を理解していないと、なかなかこのようには書けないというのがよくわかると思います。現代のくずし字の練習
くずし字の練習6−2 手紙葉書2 吉田真
百人一首に書かれているような昔のくずし字を実際に書くのはかなり難しいですよね。現代のくずし字であれば実用的で役に立ちます。ぜひ習得にチャレンジしてしてみてはいかがでしょうか。 この動画の講師は、日本書写書道検定委員会会長・最高師範の吉田琴泉氏。他にも、現代のくずし字で書く挨拶文や姓名の書き方などの動画も公開されています。昔のくずし字の書き方習得「おすすめ書籍編」
くずし字に関する書籍は数多く出版されています。くずし字の解説本も多数ありますが、今回は覚え方、書き方に特化した書籍を紹介します。 書籍には、筆者自身のノウハウや経験談をもとにした濃厚な情報が満載! ぜひ参考にしてみてください。
「覚えておきたい古文書くずし字200選」
実際の古文書からよく出る単漢字1600例、用例3750例を収録。よく出る単語や用例を覚えておくと、パズルのように古文書を解読できる楽しみも! 覚え方の解説やポイントはもちろん、ペン字の骨書き付きなので自分で書いて練習できます。
「国芳も春画も読めるわかるはじめてのくずし字教室」
浮世絵、絵巻、名所図会、妖怪本など、見るだけで楽しい絵が勢ぞろい! 添えられている一文が読めるように解説している書籍です。面白おかしい絵がたくさん挿入されています。何度も眺めながら繰り返し覚えられる楽しい書籍です。こちらも骨書きがありますので、上からなぞって書く練習ができます。
「なぞり書きで覚える江戸のくずし文字」
この書籍は、ペン習字の練習のようになぞり書きができるので続けやすいと思います。
骨書きの練習に
人間文化研究機構・国文学研究資料館が運営する公式HPに「書物で見る日本古典文学史」の電子展示室が展示されています。 展示されている古文書の画像データのダウンロードは無料。自宅またはコンビニなどで印刷すれば骨書きの練習に使用できます。実践の練習にいかがでしょうか。 「書物で見る日本古典文学史」の「コンテンツに移動する」ボタンからどうぞ!
現代のくずし字の書き方習得「実際に書いてみる実践編」
YouTubeや書籍などで学んだ後は実際に書いてみましょう! 縦に中心線が入った専用紙がおすすめ。中心がわかりやすいのでバランスよく書けます。 練習帳があると学習しやすいですね。
現代のくずし字で連綿(れんめん)を覚えよう
【プチ連綿のススメ】達筆への近道!ひらがなの連綿に挑戦しよう。美文字の書き方・手本 青洞の書道ペン字ch 青洞書道
現代のくずし字でよく見かける連綿。連綿とは、切れ目なく延々と続くさまのこと。続け字をする書法を指すこともあり、この書体を連綿体といいます。 この動画では連綿の書き方を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。大切なのは、あきらめないこと
昔のも現代のもいざ書くとなると、どちらも難しいくずし字。 頑張って練習して書けたときの喜びは格別ではないでしょうか。学習のスピードやタイミング、進め方は人それぞれ。 何事も習得するというのは大変ですが、大切なのはあきらめないことです。あなたも楽しみながら、くずし字にチャレンジしてみませんか。 こちらの解読字典もおすすめです。