チューナーレステレビには、NHKの放送を受信できるテレビチューナーが搭載されていないのでNHKと受信契約する必要がありません。もちろん、民放も映りませんので一般のテレビ放送番組なども一切見られません。それでも、チューナーレステレビを購入するにあたり、NHKとの受信契約に関して注意すべきポイントがあるのをご存知でしょうか？
この記事では「チューナーレステレビ」と「NHKとの受信契約」について詳しく解説します。
チューナーレステレビとNHKとの受信契約について
チューナーレステレビがNHKとの受信契約が不要な理由は、チューナーレステレビにはNHKの放送を受信できる設備を搭載していないから。
NHKと受信契約を交わす義務が生じないのです。
次に、NHKとの受信契約とチューナーレステレビについて知っておきたいことを解説します。
そもそもNHKとの受信契約とは？
NHKとの受信契約とは、NHK放送を受信できる受信設備を設置した場合に生じる義務です。NHK受信契約は、放送法第64条で規定されています。
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。
NHKの正式名称は、日本放送協会です。NHKは公共放送を担う特殊法人であり、放送法の規定で設立されているなど、一般の企業とは性質が異なります。
大きな特徴は受信料が財源であること。NHKは、広告収入のかわりに受信契約で得られる受信料が財源となっています。
チューナーレステレビはNHK受信契約の対象外
NHKとの受信契約は、NHKの放送を受信できる設備を設置している場合に生じます。そのため、チューナーレステレビはNHKとの受信契約の対象外になるのです。
これを、NHKの稲葉延雄会長が2023年4月20日の参議院総務委員会で正式に「受信契約の必要はない」と明確に回答しています。
NHK受信料を支払わないとどうなる？
NHK放送を受信できる設備を持っていながらNHK受信料を支払わなかった場合、NHKは稀に裁判を起こしてくる可能性があります。NHKを見ていなくても、NHKの放送を受信できる設備があれば「NHKとの受信契約は義務」です。
受信契約をしても受信料の支払いは義務ではない
しかし、NHKの「放送内容」「経営方針」「職員の不正問題」「そもそもNHKを見ない」などNHKに対して納得がいかない場合は、受信契約をしていても「NHK受信料の支払いは義務ではない」のです。さらに、支払わない場合の罰則もありません。
最終的に裁判所から「NHKに受信料を支払え」という判決が下った場合は支払いが発生します。しかし、契約済で受信料を支払っていない全ての人に対してNHKが裁判を起こすのは不可能だと思われます。したがって、訴えられる可能性は低いものの、裁判で判決が確定するまで支払いの義務はないのです。
受信契約しないと割増金が請求される
さらに、NHKは2023年4月1日から割増金請求制度を導入しています。割増金請求制度はNHK放送を受信できる受信設備を設置後、受信者が期限内に受信契約をしなかった場合にNHK側が受信料の2倍の額を請求できる制度です。（NHKは鉄道運輸規程第19条のキセル乗車を参考にしているようですが、はなはだ疑問が残ります）
テレビがあるのにNHKと受信契約をせず受信料を支払わない世帯は、過去にさかのぼって割増金が請求される場合があるので受信契約は済ませておきましょう。
チューナーレステレビを購入する際の注意点
チューナーレステレビを購入しても、NHKとの受信契約が必要になる場合があります。
チューナーレステレビでもNHKとの受信契約が必要
- 自分または家族がNHKの放送を受信できる受信設備を持っている
- NHKとの受信契約が解約できていない
自分または家族がNHKを受信できる機器を持っている
NHKとの受信契約の義務が生じるのは「NHK放送が受信できる受信設備を設置している場合」です。お手持ちのテレビからチューナーレステレビに買い替えた場合でも、NHKの放送が受信できる機器を自宅で所有しているとNHKとの受信契約義務が生じます。
自宅に、NHK放送が受信できる機器がないか具体例からご確認ください。
NHK放送が受信できる機器の具体例
- NHK放送を受信できるテレビ
- ワンセグ・フルセグ対応の携帯電話・スマートフォン
- テレビチューナーを内蔵しているパソコン
- NHK放送が見れるケーブルテレビ
- ワンセグ・フルセグ対応のカーナビ
- 外付けでテレビチューナーを接続しているチューナーレステレビ
NHK放送が受信できる機器は、意外とたくさんあります。NHKの職員が自宅内に立ち入って確認するといったことはありませんが、放送を受信できる受信設備があればNHK受信契約の義務が生じるため注意しましょう。
NHKとの受信契約を解約していない
チューナーレステレビに買い替えて、自宅にNHK放送が受信できる設備がない状態にすれば受信契約の解約が可能です。
NHK受信契約を解約する方法
- NHKふれあいセンターに電話（0120-151515）をして「受信契約の解約」を申し出る
- 自宅に届いた放送受信契約解約届に必要事項を記入する
- 必要事項を記入した書類を返送する
NHKふれあいセンターの電話対応は、土日祝を含む朝9時から夕方18時まで。解約できる状態になったら早めに連絡しましょう。
チューナーレステレビへの買い替えをきっかけに受信契約の解約を申し出るポイントを紹介します。
電話で受信契約の解約を申し出る際の3つのポイント
- テレビではなく「受信機を処分したので受信契約を解約したい」と伝える
- 家にNHKを受信できる設備がないことを強調する
- 堂々と伝える
特に1と2を知っておくことで、あなたと電話口の相手との説明コストが低減できます。ぜひお役立てください。
いずれにしても、NHKとの受信契約と受信料の支払いに関する問題は「NHKの放送を受信できる受信設備を持たない」ことで解決します。合法かつ合理的な方法ではないでしょうか。
NHKが好きで番組を見たいという方は、従来通り契約して受信料を支払えば良いと思います。
今あるテレビを処分してチューナーレステレビにしよう
NHKに電話で解約申請をしたら、意外な展開に？！ 源空TV （GenkuTV）
NHKと受信契約する必要がないチューナーレステレビ。「そもそもNHKを見ない」「NHKは必要ない」「NHKは嫌い」という方は、今あるテレビを処分してチューナーレステレビに買い替えましょう。NHKと受信契約している方は、リサイクルショップなどの処分証明書を持って受信契約の解約手続きをしてください。
現在のテレビ放送は、決まった時間に情報番組などを強制的に見せられているように感じませんか？ チューナーレステレビの登場によって、これからは見たい時間に見たい情報をスマホのように自分で見に行く時代へと変わっていきます。だらだらと流れるテレビがない生活は、電気代の節約にもなり快適になるでしょう。さっそく、あなたもチューナーレステレビに買い替えて、本当に見たい情報だけを見るようにしませんか。
